その一一七

 

 






 






 























  あてはまる 声を探した 腰かがませて 

スカイダイビング、パラシュート
スタンプがいっぱいになった
レコード屋さんのポイントカードを弟にもらう、
昔住んでいた家の郵便受けの側の木の陰、
駐車場、キャンパス、午後の授業。

ぜんぶ昨日の夢にでてきた場所とかの
アイテムです。

おきてる時、映像で眼にしたものが
夜になってもういちど私の中で
処理しきれないものがたまったまま
妙な夢のかたちになっていました。

なにがリアルなんだろうって思うのに
見ている時はほんとうにほんものだって
思っていて、気持が明るみを帯びてきます。

空を見上げて自分がパラシュートで落ちてくる
所を想像してそんなこわいことはできないと
本気で思ったりしていて。

ゆめなんだからなんでもやってしまえば
いいものを。
ゆめのなかでもおくびょうなんだなぁって。

さっきまで絵本についてのエッセイを集めたものを
ぱらぱらと読んでいました。

かわっぷちのみち、こけももをバケツに
たっぷりあさごはんを、天国をみつけられなければ
二れつになって

ちょっと抜き書きしてみるだけで
誰かのゆめをみているみたいな
ふしぎな幸福感に包まれます。

そのなかにいても所在ない感じがしない感じ。

きのうのゆめの謎はもうずいぶん逢っていない人が
ひょいと登場して私に傷んだりんごをひとつ
渡してくれるところで終わっていました。

ゆめのなかのリアルってなんなんだろう。
ぜんぶを享受しているようなとてつもなく
じぶんが寛容な人になっていて
もろもろの感情はこっちの世界に置き忘れてるのに
それこそがほんとうみたいな気持になっている。
メビウスの環の中にまぎれこんだみたいな経験。

おくれてきたひこぼしとつかのまあっていたんだと
思うとそれはそれでわるくない。
また来年もあの場所で逢いましょう
といいたいようなそんな感じの
朝でした。
       
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