その四八〇

 

 






 







 





































































 

しゃぼん玉 虹が映した ふたりのような

 それは、ゆらしてみたらわかるからとその人はいった。
 なにもみえないしろいうつわのなかにその液体がどれだけ入っているのか、さだかじゃなくて。
 ゆらした。ゆらす。ゆれる。
 でもわかったようなわからないような。
 わからないって云おうとおもったら、そのひとは、重さを測ってみたらっていって、赤い測りをもってきた。
 もういいよ、って云いながら、その器をそのひとに手渡す。蜂のおしりみたいな形で、ぽってりとしていた。
 ふたりで測ることに飽きたので、それを戸棚にしまった。
 もうしばらくしたら、その器のことは、きっと忘れてしまって。
 なにかをふたりで測ったことだけを覚えているだろう。

 
 ピアーズ・セラーズさんという宇宙飛行士の方がおっしゃっていた、<宇宙から地球を見ると、二酸化炭素と酸素を含む大気のとても薄い層が見えるんです>という言葉がふと浮かんできた。
 地球は思っているよりももろいものかもしれないと気づかされて、じっとしていてはいけない気持ちに駆られた。わたしたちにもたぶん、そういううすい層がからだのまわりを覆っていて、そういうものに守られて生きているのかもしれない。だから、近づきすぎるとこれ以上近づいたらいけないような気分になるのはきっとそのせいかもしれない。
 
今年も<うたたね日記>にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。どこかで誰かが読んでくださっているという思いに支えられて、今年も無事書き終えることができました。こころより感謝申し上げます。残りすくない今年がすこしでも心穏やかに過ぎてゆきますように・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

       
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