その六五四

 

 




 

使




 





 

透きとおる 羽根がこすれる 音が満ちて

いま、ひとりひとりのオーダーメイドの
キャッチフレーズをつくるという仕事を
している。

商品とは、またちがってひとりひとりの
来し方行く末を想いながら言葉を紡ぐと
いう作業は、なかなか緊張を強いられる
けれど、納品した後のお礼の言葉を頂く
たびに、幸せな気持ちになる。

いつも年賀状を頂くアーチストの方の
今年のビジュアルは<Happiness>と
記されていて、かわいい寅がレイアウト
されていた。

宙に浮かぶ、桃色の天使には白い透きと
おった羽根があしらわれている。

毎年個展のお知らせにもなっているその
年賀状を頂くたびに、ふわふわとした
気持ちになってこころ落ち着く。

どんな些細なことであれ、日々競争を
しいられるような日々にあって。

何処の誰とも競わない、ただそこにある
だけで、観る人々に安らぎをもたらして
くれる彼のタッチが好きだ。

色はそこにあるのに輪郭をもたないので
色と色がまじりあう様に、共存している。

あるべき姿をみるようでうれしくなる。
去年、いろいろなご縁があって今の仕事を
することになったけど。

わたしの言葉を受け取ってくださった方が
Happinessと思えるようなそんな仕事をし
たいと、今年はぼんやりとだけど、色が混
ざるような想いを抱いている。

 



TOP