その六六〇 |
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こ |
心のなか 鍵をかけた 鳥かごめいて 『あなたのための短歌集』のページをめくる。 お客さんから悩みやお題をもらった歌人の これって、まさに言葉の贈り物そのものだ。 【お題】教室を生き抜くための短歌をください このオーダーへの木下さんの返事は、 【短歌の返事】 こんな言葉をもっと学校時代に贈られたかった。 【お題】 【短歌の返事】 やさしさに思いがけず指で触れて、 【お題】生きたいと思う短歌をください こんなオーダーが、もしわたしに来たら 【短歌の返事】 言葉がたったひとりのひとにだけ、そこに 問いかけなかったはずのわたしにまで届いて 言葉には鍵をかけておくことはできない。 卒業式のこんな季節に。
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