その六七九 |
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晴 |
雲と雲 流されてゆく 古の街へ 広告の仕事にまみれていた頃は 今日は星がでていたよとか朧月夜 そうか、母は空を見ていたんだなって わたしは朝の空も昼の空も、夜の空も 明日は少しでも空をみようと心に SNSではみんながみた空の画像が みんな視線をそこに集めてスマホを ある日母が言った。 小さい時はいつも穏やかで笑っていた。 わたしの表情が曇りだした頃に聞かせてくれた 10代になってあんな表情が日々続くなんて その頃の思いを振り返りながら くしゃくしゃになりすぎたハンカチのしわが 重たい話を日常の軽さで、処理してくれた。 じめっとするな、くよくよするなって 笑っていないとみんなを悲しませると、 でもできない日のほうが多くて。 それをよく我慢して受け入れてくれたなと ある日の空をみる。 太陽が輝いていた。 |
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