--- 平成十四年 ---
バックナンバー2
 

その二十三 ゆるゆると ゼリーのなかに 眠る明日は 一月九日

その二十四 坂道を 転がるように ふざけた風が 一月十九日

その二十五 夜になる そのせつなには 名前があるの 一月二十八日

その二十六 太陽に 向かってぎゅっと 目をとじてみる 二月十二日

その二十七 どこまでも なぞなぞの声 響かせてゆく 二月二十三日

その二十八 春の風 黙ったままで じゃんけんを 三月十八日

その二十九 あなたにも たったひとつの スプーンをあげる 三月二九日

その三十 駐車場に 季節外れの おもちゃのとんぼ 四月四日

その三十一 濡れている 猫のからだが まるくちぢんで 四月十日

その三十二 あさっての あんぐるで しゃべるひとです 四月十六日

その三十三 ぜんまいを さかさにねじると 潮騒のこえ 四月二十九日

その三十四 一冊の ページの耳を やわらかに折る 五月十五日

その三十五 ほのぐらく まっすぐな道 いざなうように 六月五日

その三十六 銀色に 細くゆれてる 月のましたで 六月十一日

その三十七 なつかしい みずのつめたさ たしかめたくて 六月十七日

その三十八 こんにちは あのいぢわるな 猫といる夏 七月一日

その三十九 十字路を 縦に伸ばして 交わる道で 七月七日

その四十 ひとしずく たわわに実る だれかのこころ 七月十七日

その四十一 花の名を 教えてくれる 夢のまんなか 七月二十五日

その四十二 てのひらに にぎったままの 数字をみせて 八月七日

その四十三 はみだして 晴れている空 ひとつすくって 八月十日

その四十四 次の手を 考えている 視線のさきに 八月十六日

その四十五 甘すぎて たちまち溶ける 夢をみたのは 八月二十二日

その四十六 波のうえ おれんぢいっこ さすらっている 九月六日

その四十七 真夜中の バックライトに 照らされてゆく 九月十二日

その四十八 犬の背が 海をみている 午後の空には 九月二十日

その四十九 草原に 忘れられてる 誰かのオルガン 十月五日

その五十 ピンポンが 転がるように 旅をつづけて 十月十日

その五十一 テーブルに 描かれている 水の跡にも 十月二十二日

その五十二 冬の猫 首のうしろに 熱を抱えて 十月二十九日

その五十三 あやふやな 月のかたちに 海が濡れてる 十一月十九日

その五十四 いっぽんの せろりぱしんと ぱしんと割って 十一月二十七日

その五十五 朝焼けを 背にうけながら ことばをつむぐ 十二月十八日

 
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