--- 平成十八年 ---

その一三〇 眩暈坂 ハッピーニューイヤー 空にはなって 一月十一日

その一三一 雨粒の リズムがちゃれる 硝子の部屋で 一月二十三日

その一三二 レシートに ふたり生きてた 証うかんで 二月八日

その一三三 ひだりきき アボカドヒネル どこまでもゆく 二月二十五日

その一三四 出会う人 出会えない人 ほころびる文字 三月三日

その一三五 あたらしく あいしあうより にげたくなって 三月十七日

その一三六 凪になる むかしばなしの 会話の途中  三月三十一日

その一三七 うその雨 ばっかり降らせて ふいとでてゆく 四月三日

その一三八 聞き耳を だれかがたてる 猫科のひとよ 四月十五日

その一三九 ふぃらめんと 胸のはしっこに ふぃらめんとある 四月二十七日 

その一四〇 闇にいる てさぐりをする こころってどこ 五月二日

その一四一 りんかくは あればあったで なぞりたくなる 五月十六日

その一四二 ぬくい猫 がむしゃらに抱く 抜けてゆくまで 五月二十二日

その一四三 ひらがなの 雨が降ったり やんだりしてる 五月三十日

その一四四 ふいうちに アイビーからめて じっとみている 六月六日

その一四五 遠ざかる むかしむかしは 極彩 色の 六月十六日

その一四六 にげつづけて しゅんとゆらいだ いまのはほんと 六月二十八日

その一四七 くりかえす 六角形の みつばちの部屋 七月九日

その一四八 風の道 しるしがゆれる 蝶の訪れ 七月二十一日

その一四九 首や肩 輪郭線を 指でなぞった 七月三十一日

その一五〇 ひぐらしが ひかりのなかで ちいさくないて 八月七日

その一五一 落ちてゆく 雫のあとが 出口にむかう 八月二十二日

その一五二 8月を ばらばらにして 凍らせてゆく 九月十日

その一五三 雑踏の どこかどこかで 夏をうしなって 九月二十五日

その一五四 指先を フレームにして 空をねらって 十月四日

その一五五 ふぉーせーる ちくたくちっく のっとふぉーせーる 十月二十日

その一五六 墨色の とめどない海 果てしない声 十一月二日

その一五七 いつだって ちぐはぐを呼ぶ 順番だから 十一月二十五日

その一五八 ほんとうが ほんとうすぎて うそっぽいけど 十二月五日

その一五九 しろすぎる たまごのからを じぐざぐこぼす 十二月二十二日


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