その一九七

 

 

45

 







 










 

体温を わけあうかたち 綴っておくね

なんにちか続けてベランダにやってきたカマキリが
じっと動かないなって思ってそのままにしていたら
いつのまにか寒さでしんじゃっていたみたいで、
そのちからつきた前脚のかたちがふしぜんで、
あぁこれがしんでるかたちなんだと納得した。

すっごい悲しいわけじゃないけれど、洗濯をするたびに
見返る恰好でわたしを見ていたので、すこしばかり
いなくなっちゃったんだっていう気持ちになった。

ちょうど同じ日。
未来の匂いのするものはほんとうは苦手なはずなのだけれど、
でも彼だけはとくべつすきなんだな、アシモ君って思いながら、
新聞記事を読んでいた。

すこしまごつきながら。でもいまのいっぱいいっぱいの
気持ちで走ってます、そんな風情のロボットアシモ君が
また進化したらしいって記事とテレビの映像みてたら
ほんとうにじわんとしてきた。

じぶん(アシモ君)の前に人がいたら、すっと横によけたり
道だってお先にどうぞって譲ったりする。
なんてけなげなと思いつつ、今までは45分程で電池交換して
いたらしいということも知った。

45分ずつもしだれか好きなひとがしんでゆきそうになるとしたら
どうだろうってありもしないことを想像しながら読むと
ちょっとせつなくなってきたりした。
それが、いまはアシモ君みずから電池がなくなりそうな寸前に
自分で歩いて充電しにいくらしい。
記事の中では<暇を見てこまめに充電するので>と続いていて。
この1行になんだかやられてしまった。

じぶんでいのちをつなぐためにたどたどしく歩いていくなんて
どういうんだろう、うまくいえないけれど、かわいくてずるい。

ひとでもロボットでもどこかしらに体温を感じると、なんだか
すきだなぁっていう感情が芽生えてくるのかもしれないなんて
だれも聞いていないすきの理由を綴りつつことしはこの辺でしめますね。

今年もつたないうたたね日記におつきあいくださりまして
ありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願い致します。

みなさまにとってすてきな2008年が訪れますように・・・。

       
TOP