その六三八

 

 






 






 







 

ページから 宙にたびする ことばとことば

電子書籍にまだなれなくて、それでも
これは電子書籍でもいいかなっていう
ものは買ってしまう。

ブックマークもできるし、途中から読む
こともできるけど。

指の感触がキーボードを触る感覚だけで
紙のページをめくるあのニュアンスが
ないのが惜しくて。

なかなか馴染めない。

本屋さんのレジあたりに置いてある
小冊子とかPR誌が好きで、家の中の本棚
にも数冊置いてあったりする。

ある作家の言葉が扉をめくると書いてあって。

電車に乗ってる時のみんながスマホを覗いて
いる景色が描かれていた。

それが良いとか悪いとかじゃないと前置き
されながら、

<考えてみれば不思議な光景>
そこに<僕らはすっかり慣れてしまった>と。

そんな車内のなかで<文庫本を開いている人を
一人でもみつけたとき、なんだかほっとした
気持ちになる>

って綴られていた。
わたしはどっちかというと紙の人なので
とてもそのことばに安堵していた。

紙の新聞紙の本。

あえて紙と言わなければいけない時代だけど。
この間見ていた作家の方のドキュメンタリー
ではみなさんが紙の本を読んでいるシーンが
多かった。

馴染み深いシーンに久しぶりに出逢ったような

そんな気がしていた





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