その六七六 |
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言の葉が どこかでだれかに 舞い降りてゆく 父から携帯に電話がかかってきた。 ずっと昔に短歌集が出た時、父と娘は わたしの書いた短歌にショックを受けて 手紙をもらった。 短歌の中の主人公はわたしではなく なんどもごめんねを言われて。 リベンジというワードもでてくるその歌集は あの頃、短歌という免罪符を手にしたわたしは、言葉を 父がいくつかの短歌を引いて手紙をくれた。 ・メランコリーがブランコ乗ってる焦げよ焦げよ これらの歌たちが父の罪悪感を掘り起こしてしまった ちいさいあなたを傷つけて申し訳なかった。 それをばらばらにしてしまったのはパパのせいだと その時、わたしはその解釈に驚いたのだ。 あのビスケッツの歌は、実話で。 それを忘れていたわたしはポケットの中で たったそれだけだったのに、父の解釈に驚きながらも 父はずっとそう信じているみたいだった。 わかいってずるくて嫌だなって思う。 携帯で感想を語ってくれた。 ☆2023年もお読みいただきありがとうございました。書くことが滞ってしまってすみません。来年もどうぞもりまりこのうたたね日記をよろしくお願いいたします。
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