その六九五

 

 





 






 






 

こころだけ 誰かに預ける ちぎれる雲よ

最近気持ちがざらざらしている。
指で撫でたらちょっとささくれだってしまう
ぐらいの感じでざらついていた。

人の言葉に触れたくないという日々が
続いていた。

仕事疲れでもない。
たぶんSNS的心労かもしれない。

そんな時間を過ごしていたらこころが
ぽっかりしてきて。

誰かと喋りたいと思った。

むやみに空いてしまったむなしいような
やるせないような穴だあらけの心を
埋めたかったのかもしれない。

その後わたしは友達にLineした。

ほんとうに困った時に彼女のことを
思い出す。

なにがあった?
短い立ち話みたいなラインをした。

いつものように的確に、意見を言ってくれて
可愛いスタンプもいっしょに贈ってくれた。

いつでも聞くよ。結びの言葉があって
なんかほっとしていた。

いつだったか彼女が言ってくれた。

「真面目に生きたり、自分を責めたりしないように
わたしが近くにいるね」

これを聞いた時の感覚が戻ってきていた。

およそ1年程まえのことばかもしれない。
なんだろうこの感覚。

この言葉が届いた時、じんとした。
すこし酔った感じで夜風の冷たさが

心地いいと感じるようなそんな感覚。
そして喉がしょっぱくなりそうだった。

マジメに生きることを見張ってるのが
友達じゃないんだって改めて知って
その時心の傷がかさぶたになった。

今日もその言葉にひとり慰められていた。
友達の言葉って、直に自分宛てにさしだされた
言葉なので効いてくる。

大人になってからの友達ってやっぱりいい。

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