--- 平成二九年 ---

その四八一 はつあかね ふれあう羽根が やわらかすぎて 一月十日

その四八二 ほのしろい せかいをみてる 一月の夜 一月十八日

その四八三 沈黙の 銀河がひとり 匂いを放つ 一月二十五日

その四八四 駐車場 星がわらった そんな気がして 二月七日

その四八五 するすると すべりおちても しずかにひろう 二月十六日

その四八六 星の砂 ひざをつくまで さがしつくして 二月二十七日

その四八七 かなしみは 金属系の 音に似ていて 三月二日

その四八八 注がれて 黄昏てゆく みるくのしずく 三月十五日

その四八九 まよなかの ラジオのように 耳がうなずく 三月二十五日 

その四九〇 くちびるが ころんだ音を つれてくる日は 四月七日 

その四九一 歩いても 歩いてもまだ たどりつけない 四月十八日

その四九二 椅子ふたつ 振り子が揺れる ゆきつもどりつ 四月二十四日

その四九三 いきものの いとなみだけが 風のまにまに 五月二日

その四九四 はてしない はてのはてまで ものがたられて 五月十六日

その四九五 どこからか ふりそそいでは きえてゆく線 五月二十六日

その四九六 しましまの 影をみつけて 目で追う猫は 六月五日

その四九七 ぽっかりと にじんだまるが だえんをゆめみる 六月十五日

その四九八 笹の葉が もえつきるまで 星にふれてる 六月二十七日

その四九九 かなしみが ねじれるときの 音を知ってる 七月三日

その五〇〇 風のなか 音符が舞うよ どこどこまでも 七月十五日

その五〇一 一輪の 花火のかたち 見失うまで 七月二十七日

その五〇二 蜘蛛の巣に ゆめがつかまる ゆめをみている 九月五日

その五〇三 窓の雨 しずくのかたち なつきやすくて 九月十九日

その五〇四 庭のすみ コロボックルと 草の葉ゆれて 九月三十日

その五〇五 ほんとうの 空にかかった ふたいろの虹 十月六日

その五〇六 たばねても ひとりびとりが ゆめをみている 十月十七日

その五〇七 まっしろい つぼみのなかで つむがれる時 十月二十七日

その五〇八 刻まれる 異国の名前 屋根裏のうら 十一月八日

その五〇九 草原を 駆け抜けてゆく けもののように 十一月十六日

その五一〇 ひらひらと 季節外れの 蝶まいおりて 十一月二十五日

その五一一 まざまざと 青かった恋 ふきぬけてゆく 十二月十二日

その五一二 だまってる むきだしのまま ふみしめられて 十二月二十八日


 

 

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